レッスンで生まれた、ひとつの作品

今回は、レッスンの中で生まれた作品のひとつをご紹介します。

私がいけばなに惚れ込むきっかけとなった「葉蘭一種生け」です。

左が初めて生けた作品、真ん中がその2年後、そして右は茎の長い葉蘭が手に入りにくい海外で、あまり良い状態ではない葉を使いながらも生けたものです。

基礎花材・葉蘭(はらん)の奥深さ

葉蘭は基礎練習でよく使われる花材であり、花展で目にすることはほとんどありません。それでも「葉蘭に始まり、葉蘭に終わる」と言われるほど、いけばなにおいて大切な花材です。

自然の道理に気づくまで

最初に葉蘭と向き合ったときの印象は、「ただの緑の葉っぱ」。言われるがまま入れました。葉蘭には右と左があり、光の当たる側の葉が少し大きく育ちます。その向きを揃えることで一体感が生まれ、ばらばらの葉がまるで一株の植物のように見えてくるのです。当初はその“道理”が理解できず、順番を覚えるだけで必死でした。けれど、いけばなを続けるうちに自然とその道理が身体に染み込み、「草木の声を聞け」とはこういうことなのだと気づけた瞬間がありました。

初めての感動の記憶

いけばなを始めたばかりの私にとって、「葉蘭の一種生け」はまるでトリックアートのようでした。順番に言われた通りに入れ、やっている最中は手元を見るのに精一杯。そして完成後、師匠に「離れて見てごらん」と言われて一歩下がると、一株の葉蘭になっているので驚きました。あの感動は、今でも忘れられません。
切り取られた草木の命を、再び一株として輝かせる。こんな素敵な伝統文化を身につけたい、もっと深く学びたい。そう強く思いました。

心に芽生えた想い

家族のために引き、大人として我慢することが当たり前になっていた日々の中で、久しぶりに“贅沢な欲”が芽生えた瞬間でした。
葉蘭は決して華やかな花材ではありません。海外の方は「葉蘭ばかり生けると家の中が葉っぱだらけになる」と嫌がることもあります。それでも私にとって、瑞々しい緑の葉蘭は、子孫を繋ぐために咲き誇る花同様に輝いて見えるのです。

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